アメリカに住んでかれこれ30年近くになる。気が付いたら人生の半分をかなり超える時間をこの国で過ごしていた。
ここで毎日暮らしていると、周りから見ればおそらく“片腹痛し”と思われるような夢を見ていても、いつかひょっとするとその夢が本当に実現するのではないかと思い込ませる何かがある。
ただでさえ音楽で成功する人間は少ない上に、日本から来た自分の場合は、アジア人が演るブルースをアメリカ人に広く受け入れてもらわねばならない。これからも長い道のりとなろう。
だが、思い込みの強さと、必要な手を一つずつ着実に打っていく実行力があれば、道はいつか開かれるのではないかといつもどおり楽観的だ。
今は下積みというよりも、ブレーク前の潜伏期間と捉えている。つまりは、その過程をエンジョイしたいのだ。
(続く)