ワンマンバンドでブルースを録音する夢

いい歳を過ぎてから、昼間の会社員の仕事を辞めて音楽をやっていると、自由で個人主義の強いこのアメリカでさえ、人から少しは珍しがられる。これが日本でなら、気でもふれたかと周りから心配されるだろうか。 
 

最近では、本業のギターもエレクトリック専門だけでなく、徐徐にスライド・ギターを含めたアコースティック・スタイルにも拡張し始めている 。 
 

さらに、日本に居た頃に少しかじったハーモニカは、この数年の間に経験を積んで、今ではステージでギターと同じ比重で活用している。 
 

その他にも昨年、ベースとドラムもやり始めた。初めてドラムのスティックを握ってその2ヶ月後には、ブルース・ジャムセッションでドラムを叩いた。今は、ファンクや4ビートなどのリズムも練習している。 
 

こうして異なった楽器を演奏することで、音楽に対する理解度が深まったし、自分の目指すバンド・サウンドがどういうものか、さらに明確になってきた。 
 

しかしこれでは、一日にいくら時間があっても足りない。好きなゴルフは時間とカネがかかるため、しばらくはお預けになっている。それに、だいぶん前に衝動買いしたキーボード、バンジョー、アルトサックスなどは、今は触ることも無く放ったらかしのままだ。 
 

思うに、楽器の力が身に付くかどうかは、その練習の集中力にある。最初のバリヤーを越えられるだけのワクワク感さえ自分にあれば、あとはそれを続けるだけだ。 
 

今は、いつかブルースのアルバムを、一人で全楽器を演奏して録音するという、戯(たわ)けた夢を見ている。 


人があまりやりそうでない、一見バカげたことを、ひょっとしたらやれるのではないかと、あれこれ思いを馳せるのは、もうそれだけで楽しい。
 

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