ブログを書くとき


ちょうど一年前に、アメリカに来てからの28年間の生活を、100ページにまとめた回顧録を書いて本として印刷した。日本ツアーのときに、それを記念グッズとして持って行ったら、ライブに来ていただいたお客さんの間でなかなか好評だった。 

  

これまでは、挫折や試行錯誤の繰り返しで、危ない綱渡りの連続であったが、それを強調せずにサラッと書いたため、あたかも順風満帆な人生を送って来たと思われた向きもある。実際には、自分の思い通りに進んだことなどは稀だった。要は、逆境をバネにして、さらに前に進めたかどうかだけが大事なのだった。 

  

今書いているこのブログは、そこで書き足らなかったことを補足したり、新しい話題をさらに加えるつもりで、昨年暮れに始めた。 

  

ブログを書くとき、デスクに向かって、さあ書こうということは、まず無い。夜、寝付く前とか、朝の寝起きのまどろみの中とか、シャワーを浴びている時とか、何気なくふと書くネタが浮かぶときがある。 

  

が、それは少し時間が過ぎるとすぐに忘れてしまうので、最近はスマホのノートの機能を使って、頭に浮かんだことを、できるだけその場で断片的にでも書き留めておくようにしている。ひと昔前なら、ペンとノートを枕元に置いてというところか。 

  

一方、そのメモを継ぎ足して、下書きがいったんできると、それをしばらく寝かせておく。何日か経って忘れた頃に読み直して、文章の流れを推敲したり、もっと基本的には、それを投稿する意味があるのかどうかを今一度判断する。 

  

締め切りが無いからこそ、こうして気ままに書いていられるが、世間の目に触れるものを書くというのは、神経を使う大変な作業ではある。

 

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