ブルース・ハープ(8)


このブログのブルース・ハープのシリーズでは、一見もっともらしいことを書いていても、それはハーモニカを吹き始めた頃に「あの時、こういうことを知っておれば、もっとそういう風にしただろうに」という、後悔の念を持って書いていることが多い(笑)。 

  

さて、以前に、ダイアトニック・ハープの低音部でフレーズを作る重要性について書いた。例えば、リトル・ウォルターのインスト曲の中でも、低音の太いフレーズでテーマを作っているものが多い。 

  

ダイアトニック・ハーモニカは、低音の第一から第三の三つの穴を、ただ吹く・吸うだけで5種の音程が出る(第二穴を吸うのと、第三穴を吹くのは同じ音)。さらにベンドを使うと、第一穴で1種類、第二穴で2種類、第三穴で3種類の、計6種類の音階を足せるから、この三つの穴だけで、なんと11種の異なる音程が出せる。 

  

しかし、特に第三穴を使って、3種類のベンドを瞬間的に使い分けるのは、やってみるとけっこう難しい。何の変哲もないように聞こえるフレーズに、深いベンドを駆使した技が仕掛けられていることがある。 

  

思うに、ブルース・ハープは、一音一音の力強さ、フレーズの説得力と、それに何よりも “ノリ” に尽きる。 
 

(動画は、ハーピストのゲーリー・スミス氏をゲストに迎えて)



 

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