日米でプレーするブルースの違いについて (その8)

日本でやるライブはコンサート形式で、お客さんは開演時間の夜7時前には席に着き、2時間のショーを観た後に終電には間に合うように家路に付く。

アメリカは車社会で、バーやレストランではウォーク・インとウォーク・アウトが自由だ。そもそも演奏がたいてい3時間 (3セット) かそれ以上と長い。

 

シカゴのブルースクラブでは、ライブ開演も夜の9時や10時からで、その仕事が終わると午前1時や2時になるのが普通だった。僕はシカゴのダウンタウンにあるブルー・シカゴでライブを終えたあと、その帰りに朝の4時までやっているノースサイドのキングストン・マインズによく立ち寄った。ネットワークを広げるため、そこで知り合いのバンドに何と午前3時ごろからよく飛び入りで演奏させて貰ったものだ。

 

そういうコマメな努力をコツコツと続けているうちにやがてそれが実を結び、キングストン・マインズやそこから通りを隔てて斜め向かいのB.L.U.E.S.でもレギュラー出演するチャンスにつながった。

 

夜もふけた午前4時過ぎ、帰り道にスーパーで食材を買って朝メシを作ってから寝床に就くと、夏場ならもう空が白んでいた。昼と夜が完全にひっくり返った夜勤生活が数年続いたのも、今となっては懐かしい思い出だ。

(続く)

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