ブルース・ジャムセッションを円滑に運ぶために


カリフォルニアで、毎週1回のブルース・ジャムセッションのホストをやり始めて、この夏で4年目に入る。ハウスバンドと一緒に、誰でも飛び入りで、歌ったり、楽器を演奏できるシステムだ。これまでアマからプロまで、数多くのミュージシャンを見てきたが、ここで少し、その運営について観察したことをまとめてみる。 

基本的には、プレーヤーと聴衆の両方が、演奏をパフォーマンスとして楽しむことが第一だ。
 
1. 我々の音楽は1960年代頃の古いスタイルのブルースと初期のR&B だ。この路線にこだわるのは、聴衆がこの店に来たらどんな音楽を聴けるかという、その期待に沿うためだ。 

2.    経験のレベルに関わらず、ホストの指示を守ることが大切。途中で突然、曲が終わったりしないように、イントロや、ブレイクの入れ所、サビへの移行、エンディングなどをリードするのは、一人に限る。 

3.    曲を始める前の、ステージでのディスカッションは最小限に。自分ひとりしか知らない曲を始めないように。 

4.    ステージにあがる前に、楽器のチューニングをしておく。 

5.    ステージのスペースは限られている。でかいアンプを持ち込みたい場合は、早い目に来て準備する。 

6.    自分の名が呼ばれるまで、ステージに勝手にあがらない。ホストは常に、ステージを取りまとめるのに忙しい。不必要に混乱を招かないこと。 

7.    プレーヤーの持ち時間は、通常3曲まで。時間が許すときのみ、もっとプレーできる。 

8.    楽器のボリュームのレベルに注意。初・中級者に多いパターンは、全体の音のバランスに気が回っていないことがある。 

9.    少々の間違いは誰も気にしてはいないから、グルーヴを出すことに重点を置く。
 
飛び入りのミュージシャンを引き立てつつも、バンドとしてはパフォーマンスとしての質を維持しないと、観ているお客さんは退屈して帰ってしまう。カラオケとの大きな違いだ。 

演奏者側に、「普段は一緒にやれないプレーヤーと、時間を共有できることを楽しむ」という謙虚な姿勢があれば、たいていはうまく事が運ぶだろう。 

それに、言うまでもなく、毎週のイベントとして長続きするには、ハウスバンドの力量がモノを言う。

(写真は、ベイエリアのソウル・シンガー、ティア・キャロルを特別ゲストに迎えて)

 

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