サンクスギビング・デーとアメリカ社会

 

11月の第4木曜日(今年は11/26)は、アメリカではサンクスギビングの休日だ。それを祝う多くの家庭では、家族が実家に集まって食事をする大事な祝日で、日本でいうと正月に相当する。

 

当地は穏やかな天気で平和な一日だった。この時期、米中西部は大雪らしいので、カリフォルニアの都市部の地価が高いのもうなづける。

 

だが昨今、宗教テロが世界中で起こる中で、この平和を当然のものと考えては居られない。その上、アメリカでは、人種差別によるヘイト・クライムが起こる可能性が、日常的には低い確率とはいえ存在する。自分は、この社会では、差別の対象となるマイノリティーに属しているのだ。

 

そんな中で、音楽の道で生きていくのは、並大抵ではない。幸い、サンホゼ郊外の黒人ブルース・クラブで、毎週のハウスバンドを任されて3年目になるが、さらに広く認知度を上げるには、いっそう自分の音楽を高める努力が必要だ。練習あるのみ。

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ブルース・ハープ(4)

 

京都で学生をしていた頃にブルース・ハープを吹き始めたが、当時は手に入る情報が限られていた。大昔のニューミュージック・マガジンという音楽雑誌のブルース特集号に、妹尾隆一郎氏の短い解説記事があり、それだけが頼りだった。

 

今では、教則用のCDあるいはDVDやら、ネットでレッスン動画が氾濫しているから、何が必要な情報なのかを整理するのが大変なくらいだろう。

 

ひとつの練習法として、アメリカのブルース・ハーピストのチャーリー・マッスルホワイト氏から、ゲーリー・スミス氏に言い伝えられたと言われるものがある。それは、10穴のダイアトニック・ハープの低音の第1穴から第3穴までだけを使って、ソロのフレーズをどれだけ組み立てられるかということらしい。つまり第4穴から第10穴は全て、意識の上で封印するわけだ。

 

例えば、スヌーキー・プライヤーの Boogie Twist という有名なシャッフル曲のイントロのハーモニカの一巡のフレーズは、すべて低音第1穴から第3穴までで成っている。

 

実際にその通りにやってみると、ベンドの音程を強固にするのに役立つし、ひとつひとつの音を大事にするようになる。第4穴も、そしてそれにも慣れた後に、その他の穴も使ってもよいとしたときに、ありがたいと感じた。これがフレーズを大事に組み立てる気持ちにつながる。ビートが狂わないように、メトロノームを使うのもいい。今からでも遅くないから、こういう地道な練習をこれからも繰り返すつもりだ。
 

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バンドの音楽志向


最近になってステージでブルース・ハープを吹くようになり、今の自分のバンドの音楽の方向がはっきりとみえてきた。それは、次の3本柱だ。

     

〔1〕ギター・ブルース: ベンディングとビブラートを駆使して、”鋭く突っ込んで、引っ張って、たたみかける”、いわゆる ”スクィーズ・ギター” は得意とするところ。
 

〔2〕ハーモニカ・ブルース: 今、おおいにハマっている。特に、クロマティック・ハープのトーンが好きなブルースファンは多い。
 

〔3〕初期のR&B: ソウル・シンガーの歌う曲はたいてい、ホーン・セクションが入っていたりして、大編成の場合が多い。それを、ギター・ベース・ドラムの3人でこなして、さらにギターソロを加えて味を付けるのは、なかなか面白い。しかし、歌いながらギターを弾いてどこまで音の厚みを出せるか、真価が問われる。

 
と、この3つの守備範囲を合わせ持つバンドは、このベイエリア広しと言え、まだ見たことがない。
 
基本的には、1960年代頃に全盛を極めた、古き良き時代のブルースやソウル音楽を自分なりに体現することにある。これはレトロではなく、最初からそうだっただけなので、これでいいのだ。
 
あと、オリジナル曲だが、外国語で作詞するのは難しい。
 

カリフォルニアの気候とジャンプ・ブルース

 

11月に入り、雨や肌寒い日が続いたが、先週末は小春日和。11月末でこの好天気は、カリフォルニアならでは。これで、地震や山火事の恐れさえなければ、このあたりは、パラダイスなのだが。

 

この気候もあってか、西海岸には軽快なジャンプ・ブルースをやるバンドが多い。

My new CD was aired on FM in Tokyo


My latest CD was broadcasted on FM in Tokyo this Sunday. 
日曜23時~bayfm78.0MHz岩田由記夫氏の「ミュージック・インシュアランス~音楽は心の保険~」にて放送されたらしい。

 

ブルース・ハープ(3)


(続き) ところでクロマティック・ハープはCのハープが一般的だと思っていたが、他のキーもある。例えば、写真はBbのクロマティック。10穴のダイアトニックと、4オクターブが出るクロマティックとの中間のサイズだ。

 

カリフォルニアのハーピスト、故ウィリアム・クラーク氏の曲にBlowin’ Like Hell というクロマティック・ハープのインスト曲があるが、終盤で Bbのハーモニカのスライド・レバーを押さえ込んで、曲のキーを、突然半音上げているところがメチャカッコいい。

 

僕は普段は、ギター・ベース・ドラムの3人編成でバンドをやっているが、ギターを一人加えて、自分がブルース・ハープとギターの二刀流でいくことを、今真剣に考えている。

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ブルース・ハープ(2)


シカゴのハーモニカ・ブルースは、これまで長年にわたり聴き込んできた。最近になってさらに深くハマるようになり、ようやく、ブルース・ハーピスト達が何をやっているのか、霞が晴れたようにわかってきた。コピーするのが難しいフレーズはまだまだ無数にあるが、それはそれとして。

 

ブルース・ハープで最もよく使われるセカンド・ポジション(サブドミナントに相当するキー)は、これだけでも充分に奥が深い。さらに、ファースト・ポジション(曲と同じキーのハープ)とサード・ポジション(曲のキーから1音低い)、さらにはクロマティック・ハープを駆使することで、その間口が大きく広がる。

 

また、ハーモニカを2種類、途中で持ち替えて変化をつけることもできる。例えば、ジョン・ブリムの Be Careful What You Doという曲では、リトル・ウォルターが始めファースト・ポジションでイントロと歌のバックを吹いて、ソロ以降はセカンド・ポジションを使っているようだ。

 

ブルース・ロックファンにおなじみのインスト曲で、マジック・ディックのハープが冴える J. Geils BandのWhammer Jammer は、一聴して難しそうに聞こえるが、やってみると意外とフレーズそのものは単純だ。だが何せ、曲のテンポが速いので、ノリをきっちり出すのが難しい。どんな楽器でもそうだろうが、グルーヴを出すのが重要だ。

(続く)

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FB フレンド3千人はマイル・ストーンか?


FB  フレンド3千人を超えた。あと2千人。アクティブにSNSを活用し始めて約2年で、これからもひとつひとつの積み重ねになる。
 
今のところ、SNSをほとんどバンドのマーケティングのために使っているが、無料で使えるソーシャル・メディアはインディー・ミュージシャンにはありがたい。
 
始めは、不特定多数を対象とすることに対して猜疑心が強く、登録はしたものの、ほとんど何も活動していなかった。しかし、できるだけ意味のあることを、適度な頻度で投稿するように心がけていると、しだいに読者の数が増えてくるのが実感できる。
 
そこでは、これまで多くの出会いがあった。今、アメリカに居ながらにして、平行して日本でも活動できるのも、ミュージシャンやファンのネットワークをSNSを通じて拡げることができたからだ。この露出は必要不可欠だ。皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 
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本場でブルースを演るということ (2)


僕は20代で日本を飛び出し、アメリカで転職を重ねながらここまで来た。

 

日本人としては、多分あまり一般的でない生き方をしてきたので、さぞ大胆で神経が太いと思われるかもしれない。が、普段の生活では、実は僕は極めて慎重で臆病だ。それだからこそ、これまでサバイバルできたといってもよいだろう。

 

昔から、大きな家や高級車、嗜好品といった物質的なものに執着が無かった。今は、音楽に集中するために好きなゴルフも控えている。シリコンバレーであと10年ほど勤めておれば、小金持ちぐらいにはなっていただろうが、それにも大して興味が無かった。自分の墓場にまで、カネは持って行けないからだ。

 

それよりも、他人と違ったことをやるほうが面白いに決まっている。

 

今は、以前から深く傾倒してきたブルースやソウル音楽を、さらに自分の中で消化し、それを自分なりに体現化することに興味がある。

 

あとしばらくは、めいっぱい音楽をやって、それで芽が出なければ、しんどいツアーなど止めて、さっさとゴルフ三昧の生活に移行するつもりだ。また、それはそれで楽しみではある。

 

レスポール・ギター


先日、真夜中にネットをサーフしている時に、ゴールドトップのレスポールが偶然目に留まり、後先のことを考えずに衝動買いしてしまった。

 

レスポール・モデルのギターに対する憧れは、中学生のときに大阪で観たCCRのジョン・フォガティーにさかのぼる。それは初めて行ったロック・コンサートで、今でも覚えているほどの強烈な衝撃を受けた。

 

その後、高校生の頃に黒人ブルースを聴き始めるまで、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、デュアン・オールマンらの、レスポール系のロックギタリストは、よく聴いた。が、その頃、一番LPを聴き込んでいたのが、リッチー・ブラックモアだったので、レスポール熱は自分の中ではあまり表面化することがなかった。

 

長年の歳月を経て、子供の頃に抱いていた憧れを行動に移すことになるとは。これはやはり、少年期の情操教育が、後々の人生に潜在意識として影響を与えるといわれる、そのひとつの現われなのかもしれない。




 

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プロとアマの違い


プロは音楽だけでメシを食っていると思われがちだが、必ずしもそうではない。むしろそれは少数だ。知り合いのミュージシャンの中でも、生計を立てるために昼間、何らかの仕事をしている人は多い。

 

一昔前なら、レコード会社からレコードを出しているかどうかも一つの基準になっただろうが、きょうびは少しまとまったお金があれば、誰でもCDを録音できる時代だ。

 

この2年半ほど毎週、自分がホストをつとめるブルースジャム・セッションで、プロ・アマを含めて、非常に数多くのミュージシャンを見てきた。そこで受けた印象では、その違いは、演奏し始めて、あるいは歌い始めてすぐに、聴衆を自分の世界に引き込めるかどうかにある。

 

ただ単にうまいだけで、個性や、音に説得力の無いのは、せいぜいアマの上級者止まりだろう。

 

これを自分の趣味のゴルフに例えると、スコアの低いシングル・ハンディキャップのプレーヤーはアマチュアとしては非常にうまいが、どれだけアンダーパーで上がるかを競うプロのトーナメントでは通用しないのと似ている。

 

つまりは、カラオケで楽しむ自己満足の世界と、パフォーマンスとして他人を満足させられるかの違いだろう。

 

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ブルース・ジャムセッションで歓迎されないプレーヤーとは


まずバーに音楽を聴きにくるだけか、あるいはジャムセッションに参加するだけで、飲み物を何も注文しなければ、バンドやバーテンダー にチップも払わないお客さんがたまにいる。

 

暇つぶしを目的に来るこういうケチな”客“は、店とバンドにとっては単なる物体でしかない。特に、カバーチャージを無料にしている店では、ありがた迷惑なだけだ。

 

ジャムセッションに参加するアマチュア・プレーヤーの中でも、多いのが自分のボリュームのバランスがつかめていない人が居る。音量がデカすぎても小さすぎてもバンド全体として音作りに困る。たまにギターのウルさいのが入ると、店のオーナーから苦情が来たりするから、目を離せない。

それに、呼ばれもしないのに勝手にステージに上がって来る者は論外だし、演奏中にギターの弦が切れているのに、頑として弾き続けるビギナーもいた。僕は以前に、自分のギターの第一弦が切れて、残りの5弦で数曲弾き続けたが、その時はお客は誰も気付かなかったことがある。しかし中高音部の弦が切れたりすると、もはや続行は難しい。

 

セッションを仕切る側としては、曲として聴けるパフォーマンスのレベルにいかに全体の演奏を持っていくかに、最も気を使う。プレーヤーだけが楽しむカラオケに終わっては、音楽を楽しみに来たお客さんは退屈して帰ってしまうからだ。