バンド活動は民主主義的ではない(その1)

 

数年前に僕はバンドリーダーとして音楽活動をやっていく決意をし、ギャラを貰う立場から、払う方に移行した。その途端にこのプレッシャーの跳ね上がり方はどうだ。

 

バンマスは、企画・交渉・宣伝・人事・物流・営業・経理・ネットワーキング・業務連絡・ロジスティック(交通の便・ホテルの予約、ときにはアンプやPAの手配まで)など全てを背負い込み、肝心の音楽以外のことに時間が取られることが圧倒的に多い。まさに零細企業の個人事業主然としたところがある。

 

個人主義の強いアメリカで、ミュージシャンという業種のアーチスト達はなおさら“食わねど高楊枝”とプライドが高い。それをひとつのチームにまとめて仕事をし、バンドのメンバーには、次回もまた機嫌よく時間通りに現場に来てもらわなければならない。

 

彼らは他人から指図されることを嫌がる。が、思えば指図される方は、人から何をどうすればいいかを逐一世話してもらって、いくばくかの報酬がそれに付いて来るのだから、こんな楽なことは無い。

(続く)

 

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