1ヶ月のシカゴ旅行から帰って(その3)

 

先月シカゴにいる間に、あるブルースジャム・セッションに参加したのがきっかけで、予期せずレコーディングの話が持ち上がった。 

 

それから数日のうちに、とんとん拍子に話が進んで、ブルース業界でよく知られるデルマーク・スタジオで、一曲ギターで録音に参加するという貴重な経験をした。 

 

デルマーク・レーベルの数々の名盤が録音された、そのスタジオの中に入ること自体が、非常にスリリングな体験であった (写真) 。しかも、シカゴの第一線で活躍するミュージシャン達と一緒に仕事をしたことは、これからの自信にもなる。これは、また何か次の新しいチャンスへとつながるかもしれない。 

 

ひと月の旅行を終えて、ブルースのメッカであるシカゴは、今後もさらに “巡礼” を重ねる意義のある街であることを確信した。 

 

最後に、この旅行を通じて今回ひとつ面白かったのは、シカゴに向かう途中に立ち寄った、深中西部アイオワ州のクラブで、ブルースジャムに参加したときのこと。 

 

演奏前に、セッションのホストから、”日本人ブルースマン“と紹介されたため、そこに居合わせた一部のお客さんの間で、”いったい日本人がブルースをやれるのか“という懐疑心に満ちた空気があった。 

 

が、演奏するうちに、自分のギターと歌に対して、聴衆から温かい反応があった。気持ちを込めて真剣にプレーをすると、その受け入れられ方は、西海岸も、シカゴも、中西部の町も、何ら変わりが無いということだ。 

 

それにつけても、夢というものは、長い間その思い込みが強いと、実現に向けて何か不思議に運命的な推進力が収束して行くものである、とつくづく感じた。

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