シカゴ・ブルースのスライド・ギター(その2)


前に、シカゴ・ブルースのスライド・ギターの代表格、エルモア・ジェイムスのオープンDチューニングによるスタイルについて書いた (シカゴ・ブルースのスライド・ギター(その1)を参照して下さい)。 
 

先日、以前から目を付けていたレゾネーター(ドブロ・ギター)を手に入れた(写真)。オープンGチューニングで、マディー・ウォーターズの I Can’t Be Satisfied (キーG) や Rollin’ and Tumblin’(第2フレットにカポタストをはめてキーA)が弾ける。 
 

オープンGチューニングは、低音弦から D G D G B D でレギュラー・チューニングの E A D G B E から、第6弦(E をDに)と第5弦(A をG に)、それに第1弦を(E をDに)それぞれ一音下げる。弦を押さえずに、開放弦のまま弦を全部、ジャラーンと鳴らしたときに、GのコードになるからオープンGだ。 
 

エルモア風のオープン Dチューニング(低音弦から D A D F# A D)との違いの一つは、オープンDチューニングでは、開放第6弦がルート(D) であること。それに比べ、オープンG チューニングでは、ルート(G)は第6弦ではなく、開放第5弦にある。したがって、低音弦のリフで厚みを出す弾き方は、両者で異なる。 
 

マディー・ウォーターズは、1940年代後半から既に、このオープンGチューニングのスライド・ギターを使って録音している。後にリトル・ウォルターのアンプリファイド・ハーモニカをフィーチャーして、マディーらがシカゴブルースのバンドサウンドを確立していった過程は、映画“ Cadillac Records” で観ることができる。 
 

ちなみに、スライド・ギターではないが、あのキース・リチャードもしばしばオープンGチューニングを駆使して、ストーンズのロックンロールのリズムギターの音を組み立てているようだ。

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