うちの初代ワンコとコモドアーズのNightshift

 

今日は癌で亡くなったうちの初代ワンコの三回忌にあたる。僕が2000 年にこのベイエリアに引っ越してきたときに、サンタクルーズの施設で保護されていたのを、子犬のときに貰い受けたので、13 年間一緒に暮らしたことになる。車が大好きで何処へ行くにも付いて来たし、僕がどんなに夜遅く家に帰ってきても、尻尾をちぎれんばかりに振って出迎えてくれた。彼は家族の一員であった。

 

検診を定期的にしていたのにも関わらず、その異変に気付いたときはもう手遅れだった。獣医は、安楽死を薦めたが、僕はそのとき自分達の決断で家族の命を終わらせることがどうしてもできなかった。もしかしたら2, 3ヶ月は延命できるかもしれないという可能性に賭けて、内臓の患部摘出の大手術をした。

その直後は、いったん回復に向かったかに見えたが、結局その二週間後に小さな命は失われた。
亡くなる二日前に、家の裏庭に出してやったら、そこで立っておれずにへたり込んでしまった。カミさんの話では、そのときワンコの流した涙はサラサラだったらしい。さぞ苦しかったことだろう。ごめんな、もっと早く病気に気付いてやれなくて。

 

先日、その後にまた同じ施設から貰い受けた2代目ワンコと一緒に、家族でLake Tahoe に初めての長距離ドライブに出かけたのだが、この旅行には、車が大好きだった初代ワンコを弔ってやる目的もあった。ある朝、僕がまだ眠っている間に、カミさんが2代目ワンコを連れて湖畔に散歩に行った時のことだ。全く風も無いのに、近くの白樺林がササッと揺れたという。初代ワンコの魂が我々に会いに来てくれたのだと思って、“ありがとう”と家内は返事をした。おそらく、ペットを飼った経験の無い方が聞くと、まるで ”お犬様”の世界と思われるかもしれないが。

 

ところで、僕は初代ワンコの闘病中にちょうど、コモドアーズのNightshift と言う曲をよく演奏していた。この曲は、今は亡きソウルの大御所、マービン・ゲイとジャッキー・ウィルソンに捧げられた、すごくスピリチュアルな曲だ。この曲の中で、“I know you found a home, I know you’re not alone on the night shift.(今では天国で)もう新しいうちを見つけて、一人じゃあないんだよなという下りにくるたび、亡くなったワンコのことを思い出して、僕は心の中で泣いてしまうのだ。


 

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