ブログを書くにあたり


2015年の始めに、自分の半生を回顧録としてまとめて、一冊の本にした。それを印刷して前回の日本ツアーに持って行ったら、バンドの最新CDよりも需要が高かった(笑)。このブログは、その続章を進行形で書く目的で数ヶ月前に始めた。 
 

僕は中学・高校から大学ぐらいまで文章を書くのが嫌いだった。子供の頃から、家には文学書がたくさんあったが、それに反発して、日本の文学小説などあまり読んだことが無かった。比較的最近になって唯一ハマったのは、松本清張の推理小説だった。アメリカの日本書店で手に入るものは、全て読み通した。清張の文章は簡潔で強い。 
 

アメリカに来てしばらくして、PCが安く世の中に出回り始めた頃、日本語ワープロ・ソフトの使い方すら知らなかった。しかし、そのうち必要に迫られて、英語で文章を毎日書くようになって、かえって日本語の書き方が向上したと思う。それは、読者に読み間違われずに、平易にこちらの言いたいポイントを突く習慣が、英語から身に付いたからだ。 
 

プロの作家のように、強く美しい文章を書くのは難しいが、僕は少なくとも読みやすいように、端的に書くことを心がけている。ときには、下書きしたものをしばらく寝かせておいて、忘れた頃に読み返して文章の流れを整えている。 
 

誰もが忙しくしているこの世の中で、自分の書いたものが読者の目に留まるには、読む側の立場に立った気配りが必要だ。それと、よく言われるように、”呑んだら書くな、書くなら呑むな (Don’t Drink and Write.)“ は、事故を防ぐ安全ルールだろう。衝動書きには、ロクなことが無い。
 

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