シカゴのハーモニカ・ブルースは、これまで長年にわたり聴き込んできた。最近になってさらに深くハマるようになり、ようやく、ブルース・ハーピスト達が何をやっているのか、霞が晴れたようにわかってきた。コピーするのが難しいフレーズはまだまだ無数にあるが、それはそれとして。
ブルース・ハープで最もよく使われるセカンド・ポジション(サブドミナントに相当するキー)は、これだけでも充分に奥が深い。さらに、ファースト・ポジション(曲と同じキーのハープ)とサード・ポジション(曲のキーから1音低い)、さらにはクロマティック・ハープを駆使することで、その間口が大きく広がる。
また、ハーモニカを2種類、途中で持ち替えて変化をつけることもできる。例えば、ジョン・ブリムの Be Careful What You Doという曲では、リトル・ウォルターが始めファースト・ポジションでイントロと歌のバックを吹いて、ソロ以降はセカンド・ポジションを使っているようだ。
ブルース・ロックファンにおなじみのインスト曲で、マジック・ディックのハープが冴える J. Geils BandのWhammer Jammer は、一聴して難しそうに聞こえるが、やってみると意外とフレーズそのものは単純だ。だが何せ、曲のテンポが速いので、ノリをきっちり出すのが難しい。どんな楽器でもそうだろうが、グルーヴを出すのが重要だ。
(続く)